1番船倉および2番船倉の荷役のためのデッキクレーンを設置しました。
ン? と思うでしょう。
作者はこれを一般配置図で見たときに、この意味がわかりませんでした。どうなっているの? この仕組みが明確にわかる写真もなく説明した本もありませんでした。で、論理的に考えて、やっと理解しました。
鉄道の蒸気機関車の転車台をご存知ですか。それと同じなのです。レールの中央部分のみが回転して、レールに乗ったデッキクレーンが移動するのです。たとえば本船が右舷着けで接岸した場合、写真のようなレールの配置により、左舷側にあるデッキクレーンがレールの上を移動して右舷側に移ります。すると右舷側に2基のクレーンがあることになり、1番船倉と2番船倉の荷役ができるのです。反対に左舷側に接舷した場合は、レールの中央部分が回転して、右舷のクレーンが左舷に移動できるようになるのです。
このような仕組みにすれば、1つの船倉の荷役に左右2基のクレーンは必要なく半分の数のクレーンで済むのです。すごいアイディアだと思いませんか。
しかし、これを採用した船は本船以外には寡聞にして知りません。レールを設置しなければならないこと、回転装置が必要なこと、万一故障した場合の影響が大きいこと、コストがかかる(単純にデッキクレーンを4基設置した場合との比較)などの理由があるのでしょう。
本船が個性的なのは、外観だけでなく、このような部分も個性的です。愛さずにはいられません。
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SEA BIRD (日曜日, 03 1月 2021 21:24)
興味深いですね。アイデアは素晴らしいですが、レールや回転装置の発錆防止など、メンテが大変ではなかったかと察します。当時の乗組員の話を聞いてみたいところです。もう無理でしょうけど。