前甲板のキャプスタン等を作りました。本船の係船装置は2つ下の船体内Dデッキにありますが、錨鎖を巻き上げる装置だけは露天甲板にあります。錨(アンカー)がついた錨鎖(アンカーチェーン)はアンカーレセスからホースパイプを通って、この甲板に出て、キャプスタンで巻き上げられ、チェーンロッカーに格納されます。
錨鎖は模型店で売っている既製品を使うことも考えましたが、作者の模型はあくまで紙にこだわり、写真のように細く切ったカレンダーの裏紙にしました。
錨鎖を巻き上げる装置には、本船のようにキャプスタンを用いる場合とウインドラス(揚錨機)による場合の2種類があります。軍艦には前者が多く、商船には後者が多いです。軍艦の場合、敵弾がウインドラスに当たると被害が大きいため、機械が船体内に隠れているキャプスタンが用いられていると何かで読んだ気がします。一方、商船の場合ウインドラスのほうがコンパクトで安価であるためでしょうか。しかし本船のようにキャプスタンを用いる例もあり、ほかにも戦前から戦後の大型の客船に多くみられます。大型船の錨および錨鎖は相当な重量であり、それを巻き上げることができる強力なウインドラスが当時はまだなかったからでしょうか(最近のコンテナ船やオイルタンカーは超巨大ですが、みなウインドラスを装備しています)。
あるいは大型客船は有事の際、軍隊輸送船や特設巡洋艦として徴用される可能性があるためキャプスタンなのでしょうか。
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