次の模型船

最近読んだ書籍に、大内健二著「WWⅡ商船改造艦艇」光文社NF文庫があります。イギリスはさすがに世界一の海運国で総トン数1万トン以上の客船が多数世界中の航路に就航していたことがわかります。これらの船の多くは第2次大戦勃発と同時に英政府に徴用され特設巡洋艦となりました。その中の1隻にオーストラリア連邦政府海運会社所属の客船「JERVIS BAY(ジャービスベイ)」総トン数13,832トン、1922年竣工があります。本船は1940年11月、カナダのハリファックスから英国リバプールに向かう42隻の輸送船団の護衛任務に就いていました。

11月5日、船団はドイツのポケット戦艦「アドミラルシェーア」に発見されました。「ジャービスベイ」は船団が退避する時間を稼ぐため、単艦で「アドミラルシェーア」に立ち向かい、一方的な砲撃戦の末に撃沈され、退役士官の艦長以下ほとんどの乗組員が戦死しました。しかしこの戦いは無駄ではなく、38隻が無事イギリスに到着したのです。作者は本船の行動に海の男の誇りを感じました。英政府は本船艦長にヴィクトリア十字勲章を死後授与しました。

前置きが長くなりました。イギリス船が続きますが、次は「ジャービスベイ」を作ろうかと思っています。写真を見ればわかるように、これといった特徴もない平凡な船容の客船ですが、これでも氷川丸よりも大型です。